ドバイ原油価格の見通しは?今後下落する可能性はあるの?

◆まずは原油の種類と特徴について解説

原油価格の高騰により、原油への投資を検討されている方も多いのではないでしょうか。この記事では投資商品としての原油の種類や約20年間の価格推移、そして現在原油が高騰している理由についてを詳しく解説していきます。

◇アジアでスポット取引される「ドバイ原油」

ドバイ原油は硫黄含有量が高く加工の手間がかかるため、アメリカで算出されるWTI原油よりも安い金額で投資家から売買される傾向にあります。

一方でスポット市場で取引されること・輸送距離やコストの関係から、日本を含むアジアにおいてはドバイ原油が原油価格の指標としての役割が大きくなっています。

米テキサス州で産出する「WTI原油」

WTI原油とは、米国テキサス州沿岸部の油田で産出されている原油の総称です。WTI原油は、NYMEX(ニューヨーク商業取引所)に上場されているLight Sweet Crude Oil(軽質低硫黄原油)のひとつで、受渡供用品の代表的な商品です。

同市場は、石油先物取引としては世界最大の出来高であるため、、北米だけでなく、指標油種として世界中で利用されています。WTI原油は、39度以上の非常に軽質なAPI度で、硫黄分が入っている量として0.2%程度と少なくて良質です。それに加え、ドバイ原油やオマーン原油に比べ、消費地に近いことが理由で高値で取引されています。

北海油田・ブレント油田で産出される「ブレント原油」

ブレント原油は別名「北海ブレント原油」とも呼ばれています。「ドバイ原油」「WTI原油」と並ぶ世界三大原油のひとつであり、原油価格指標(ベンチマーク)としてかなり重要な指標です。特にフォーティーズ原油、北海のブレント原油、エコフィスク原油、オゼバーグ原油(これを総称してBFOEと呼ばれる)で採取される原油と定義されています。硫黄分の少ない軽質油で採取される北海油田の原油は、軽油やガソリンへの精製に優れています。

◆これまでのドバイ原油価格の推移は?

ここからは過去約20年間の原油価格の推移について紹介します。原油価格がどのような背景で変動してきたか確認しましょう。

(出典) https://ecodb.net/commodity/crude_dubai.html

h3:すべての原油価格が2001年頃から高騰

2001年9月の米同時多発テロの影響による石油需要減退で一時的に原油価格が下落する局面もありましたが、時間が経過するにつれて上昇を続けました。NY原油期近は2008年7月に147.27ドルの史上最高値を記録しています。

2001年以降に原油価格が高騰した要因として考えられるのは、以下の3点です。

● 世界的な金融緩和を背景とした原油への投機資金の流入

● 中国の経済成長に伴い、石油需要の急増

● イラク戦争の勃発など国際情勢の悪化

◇2008年に再高騰したのち下落

様々な要因が重なり2008年7月に史上最高値を記録しましたが、その後原油価格は再び下落局面を迎えました。これは、価格高騰に対する警戒感から原油先物市場からの投資マネーの引き揚げが相次いだことが要因です。さらに、リーマン・ブラザーズの経営破綻を契機とする世界同時金融恐慌、いわゆる「リーマンショック」の発生によりグローバルに景気が悪化したため、原油需要が急減し、原油価格は下落に転じました。

◇2014年9月以来7年ぶりの高値をつける

2008年の下落以降、落ち込みと回復を繰り返し推移してきた原油価格ですが、2022年1月に7年ぶりの高値となる水準まで上昇しました。この価格上昇の背景には、

● コロナからの回復で原油需要が高まっていた

● インフレの進行

● ロシア・ウクライナの関係悪化から懸念が高まっていた

などの要因が考えられます。今後、ロシアに対して北欧が制裁強化を行うことによって、ロシアからの原油輸出が停滞し、需給が一段と逼迫するとの懸念が強まったことから原油価格相場を押し上げました。

◆2022年にドバイ原油価格が高騰した3つの原因

ドバイ原油が高騰したことには主に3つの原因が存在します。以下でそれぞれの高騰原因を詳しく解説していきます。

コロナ後の需要急増

2020年春先のコロナショックを経て、主要国の景気が持ち直したことに伴い原油需要が急増したことも価格高騰の要因です。OPECは2023年は世界経済の回復と健全な成長、新型コロナウイルス感染状況の改善により、世界的な消費が押し上げられるとの見通しを示しています。

◇ロシアによるウクライナ侵攻

世界情勢に関する原因としては、ロシアとウクライナの関係悪化が挙げられます。
ロシアと欧州へのパイプラインを国内に有するウクライナの軍事的な緊張の高まりは、原油高に大きな影響を及ぼしたと考えられます。西側諸国は2022年、ロシアに厳しい経済制裁を実施しています。これにより米国はロシア産原油の輸入を禁止とし、英国も段階的に禁止を発表しました。
石油輸出国機構(OPEC)のデータによると、世界の原油生産に占めるロシアの割合は大きく、近年は約12%を占めている世界2位の規模の国です。そのため、この侵攻は原油価格へ影響を与える結果となりました。

こうした自然な経済活動以外の部分で需要・供給が制限された場合、状況が変わったタイミングで大きく価格が変動する可能性もあります。

◇脱炭素による化石燃料への投資の減少

2023年現在、原油の埋蔵量は豊富であることから、少なくとも50年以上は枯渇しないと言われています。しかしながら原油を採取するためには莫大な投資が必要です。世界的な「脱炭素」へ向けた動きが急加速したことにより、化石燃料への開発投資は長年に渡り低迷し続け減少したため、石油価格は高騰しつつある状況です。

◆ドバイ原油価格の高騰が日本にもたらす影響とは?

ドバイ原油の高騰は企業と個人、双方に多大な影響を及ぼします。両者への影響とその背景を見ていきましょう。

◇製造業や運輸業などの燃料コストの増大

原油価格の高騰は、輸入依存度99%を超える日本の石油製品の上昇に直結します。

例えば、燃料費のコスト負担が大きい運輸業や製造業は影響が強く出やすいです。また、私たちが日頃から利用する電力に関しても、原油高による燃料調達コストの上昇によって大きな影響を受けています。

再生エネルギー利用が推進されている昨今ですが、日本はいまだ発電の7割〜8割を火力発電によって賄っているため、原油高による燃料調達コストの上昇は無視できません。今後原油価格が高騰すれば、節電や節約によって急場をしのぐ一方で、販売価格に転嫁され、一般家庭の家計への負担が大きくなっていきます。

◇実質購買力の低下と家庭負担の増大

企業側の販売価格上昇が最終製品やサービスにまで転嫁されることになれば、家計へも消費者物価の上昇をもたらすでしょう。
企業の活動に影響を与える原油高とは、まずガソリン価格の上昇が挙げられます。また、原油先物価格が上昇すれば、化石燃料から作られる電気やガス料金も3〜5ヶ月のタイムラグを伴って値上がりします。こうした実質購買力の低下が企業の売上へも悪影響を及ぼし、個人消費や設備投資を通じて経済成長率にも打撃を与える可能性があるでしょう。

◆今後のドバイ原油価格の見通しは?

世界の情勢や経済活動などいくつもの要素が複合的に絡み合い変動する原油価格ですが、主に2つの観点から見通しを立てる上でのヒントを得ることができます。

◇地政学的リスクによるドバイ原油価格への影響

「地政学的リスク」とは、特定地域での政治的・軍事的・社会的な対立が、その地域及び世界経済全体に悪影響を与えるリスクのことです。産油国が集中する中東でのテロや民族紛争、産油国であるロシアを巡る動きなどが代表的な地政学的リスクと言えます。2022年2月のウクライナ戦争以来、世界的に地政学的リスクが高い状態が継続していることから、今後どこかで地域紛争が発生すると、原油価格に大きく影響を与える可能性が考えられます。

◆まとめ

世界情勢が日々目まぐるしく変化していく中で、原油市場も常に変動しています。過去の原油価格推移の背景を知り、現在の世界情勢から先の見通しを予測していくことが、リスクヘッジと収益の最大化において大事なポイントです。ぜひ、本記事を投資家のみなさんの取引にお役立てください。

◆ドバイ原油の取引は岡地株式会社におまかせ!

激しく変化する原油市場で、取引を始める際の意思決定には大きな不安も伴います。岡地株式会社は、商品先物取引の老舗として、初心者から熟練者まで幅広いお客様に商品先物取引のサービスを提供させていただいております。 「投資アドバイザー」のアドバイスを受けながらのお取引や、インターネットを利用した「オンライン取引」など、個人、法人を問わずお客様の多様なニーズにお応えしていますので、ドバイ原油の取引に興味のある方は、ぜひご相談ください。

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