価格変動リスクに直面している事業者様に、相関する現物・先物市場に精通した商品デリバティブの専門スタッフが、効率的なヘッジ手法をご提案いたします。
- 事業者様と面談を重ね価格変動リスクの所在を発見します。
- 全社的なリスクマネジメント評価を実施します。
- 事業者様の業務と目的に適したリスク管理戦略を提案します。
石油市場を利用した場合
石油先物を利用した例
X運送会社は、昨年軽油代金が前年の2倍に高騰して会社は大赤字になりました。1リットルあたり140円を超えると会社は赤字になります。軽油代金が140円以下であれば収支はトントンになり、10円下がるごとに1億円の利益が増加します。
しかし、軽油価格はさまざまな要因で常に変動しているため、将来どうなるかは予想ができません。そこで、X運送会社のY社長は2期連続赤字に陥ることを避けるため、軽油先物取引において必要量を1年間1リットルあたり125円で買い付けました。これで手付金(証拠金)を先物口座に入れておけば、年間1億5,000万円の黒字を確定することができ、2期連続赤字を避けるという目的は達成です。
次に、その時の軽油価格がどうなっているかを見ていきます。
値上がりパターン
心配していた通り、軽油価格が150円に値上がりしていました。しかし、先物を125円で買い付けていたため、1年間125円で仕入れることができました。
150円(L)-125円(L)= 25円(L)
店頭価格より25円ほど安く買うことができます。
値下がりパターン
店頭では120円で買うことができるようになりましたが、先物取引のキャンセルはできないため、125円で仕入れることになります。
120円(L)-125円(L)=-5円(L)
店頭価格より5円ほど高く買うことになります。
120円(L)に値下がりした場合でも125円(L)で買わなければならないのは損と感じるかもしれませんが、予約時には1年後の軽油価格が140円(L)より値上がりしているか値下がりしているかわかりません。わからないからこそ、この予約には大きな意味があります。Y社長にとっては、140円(L)より値上がりして2期連続赤字で被る様々な不利益よりも、多少利益が減っても黒字を確保することが大事なのです。
Y社長にとっては、この125円(L)での買い付けが「買いヘッジ」というリスクヘッジ手段として有意義であるということになります。
リスクヘッジとは、将来の不確定要素の排除です。ヘッジをしない方が良かったということもあるかもしれませんが、その場合でも価格や取引の採算をあらかじめ確定したという点に着目すれば、ヘッジは有効であると考えられます。
電力市場を利用した場合
電力先物市場の主な利用方法
1. 調達価格の固定化
顧客への販売価格に対して、それよりも安い価格で先物を買うことができれば利益が確定します。
■例
販売価格:25円 先物での購入価格:15円 ⇒ 10円の利益が確定
結果としてJEPX月間平均価格が10円まで下がった場合、先物損益としてはマイナス5円となってしまいます。しかし、現物を10円で購入し、25円で販売することで15円の利益が出ているので、あらかじめ想定していた10円の利益確定はできており、ヘッジは有効であると考えられます。
2. 販売価格の固定化
発電コストに対して、それよりも高い価格で先物を売ることができれば利益が確定します。
■ 例
発電コスト:15円 先物での売り価格:28円 ⇒ 13円の利益が確定
3. 収支の安定化
年間販売量を先物で買いヘッジすることにより、収支の見通しを立てることができます。
■ 例
年間販売量:12億kWh 販売価格:25円
先物購入量:12憶kWh 購入価格:20円
⇒ 5円×12億kWh=60億円の利益が確定
4. 需給バランスの調整
先物市場を利用することにより、販売量、調達量の過不足に合わせて月単位で調整が可能となり、柔軟にリスク管理ができます。
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